こんにちは、サシャ(@sashalog_com)です。
今回は「秋田竿燈まつり」についてのお話です。
秋田竿燈まつりとは
秋田竿燈(かんとう)まつりは、連なる提灯を米俵に、竿燈全体を稲穂に見立てて五穀豊穣や無病息災を祈る行事で、毎年8月3日 – 6日に秋田県秋田市で開催され、100万人以上の来場者が訪れる秋田の夏を代表するまつりです。
竿燈まつりに参加している町内のほか、企業・学生団体も合わせると約280本の竿燈が大通りを埋め尽くし、竿燈による黄金色の光が夏の夜空を彩ります。
秋田竿燈まつりは重要無形民俗文化財に指定されており、青森のねぶた祭り、仙台の七夕まつりと並んで東北三大祭りの1つとされております。
竿燈まつりの歴史
竿燈まつりの由来は諸説あるのですが、発祥は江戸時代中期に遡り、睡魔払いのお盆行事である「眠り流し」行事を起源とする説が有力とされております。
その後、竿の形を稲穂に、提灯を俵になぞらえて、豊作祈願の意味を持つようになったと言われております。
ちなみに現在では「眠り流し」が訛って「ねぶり流し」と呼ばれております。
竿燈まつりについての詳細は、下記サイトをご参考ください。
竿燈まつりの見所
竿燈まつりでは、竹竿に46個もの提灯を吊るした重さ約50kg・高さ約12mの大きな竿燈(大若=おおわか)を、額や腰などの体一点に乗せてバランスを取った差し手(演技者)の力強い技が披露されます。
竿燈の大きさには種類があり、大人の男性が使用する「大若」以外にも「中若」「小若」「幼若」があります。
最も小さい幼若(ようわか)は重さ約5kg・高さ約5mで、小さい子どもたちがこの幼若で演技を披露します。
小学校の高学年あたりになると、重さ約15kg・高さ約7mの小若(こわか)で演技するようになり、中学生になると重さ約30kg・高さ約9mの中若(ちゅうわか)で演技し、高校生以上になると大人と同じ大若で演技するのが一般的となっております。
段階を踏んで成長できる、とても理にかなったシステムですね。
竿燈の妙技には5種類の基本技があるのですが、以下の動画では、竿燈を片手で高々とかざし上げる、力強く豪快な基本技の「平手」」(1人目)と、差しやすく、最も早く覚える技の「肩」(2人目)による演技が披露されております。
大若は高さ12mにもなる大きな竿燈ですが、演技中に継竹(つぎだけ)と呼ばれる竹を竿燈本体に継ぎ足して、さらに高さを出します。
1本約1.2mの継竹を2本、3本…と足していくと竿燈の高さは最大で約20mにもなりますので、竹には大きな負荷がかかり、竿燈全体が大きくしなります。
しなった竿燈は動かし方によっては耐え切れずに竿が折れてしまうこともありますので、差し手(演技者)はこの限界を見極めながら演技をしていきます。
観客としては、竿燈が倒れたり竿が折れてしまうハプニングを期待していないこともないのですが、最近は芸達者揃いのようで、なかなか倒れたり折れたりしてくれません(笑)
以下の動画では、かなりの修練が必要な派手な技である「腰」(1人目)と、最も握力を必要とし、片手操作の基本となる技の「流し」(2人目)による演技が披露されております。
高さ20m程になった大若のしなりっぷりを、とくとご覧ください。
竿燈まつりは女人禁制!?
さて前述したように子どもから大人まで参加する事のできる竿燈ではありますが、残念なことに女性は参加することができません。
なぜって?竿燈は女人禁制だからです。
竿燈まつりは神事ではないため女人禁制の思想は強くありませんが、禊の行事として性格のためか長らく女性の参加は認められてきませんでした。
しかし、現在では町内によっては囃子手として女性もまつりへの参加が認められております。
仮に女性が竿燈の差し手(演技者)として参加が認められるようになったとしても、実際問題として、重さ約50kg・高さ約12mにもなる竿燈を女性が担ぐことができるのか?
個人的には女性が大若を担ぐ姿を見てみたいのですが、男性と女性では体格(体力・筋力・骨格等)に差がありますので、幼若・小若・中若はともかく、大若は軽量化でもされない限りなかなか難しいのではないかと思います。
竿燈まつりに限らず、伝統あるまつりの女人禁制を生物学的な性差と捉えるか、文化的・社会的に形成された性差と捉えるかについては様々な意見があるとは思いますが、「伝統だから」と説明されても、その伝統の中に女性差別が含まれている事に対して納得できる人は、現代では少ないでしょう。
「伝統だから」では済まされないと認識している人もいるとは思いますが、結局、自分の代で変えてしまうことの怖さのためか、多くの伝統あるまつりは今でも女人禁制を貫いております。
古い習わしを変えることは簡単なことではありませんので、難しいですね…。
しまった。柄にもなく、真面目なお話をしてしまった…。
ロウソクは安産のお守り
竿燈の提灯に使用したロウソクは安産のお守りとして知られており、ロウソクの長さが短ければ短いほどお産の時間が短くなり、安産にご利益があるとのこと。
このロウソクが欲しい出産予定の方やそのご家族・友人の方、人で溢れかえっている中では大変かもしれませんが、竿燈参加者に声をかけてみてください。
観覧時の暑さ対策
竿燈まつりを見に行く予定があるならば、暑さ対策は必須です。
まつりの本番は夜7時からですが、会場内は場所によっては身動きが取れないほどの人だかりとなり、サウナのような蒸し風呂状態になります。
熱中症のようにボーッとしてしまっては、せっかくの観覧も台無しになってしまいますので、少しでも体を冷やすために、団扇や扇子、ネッククーラー等の使用をオススメします。
まとめ
今回は「秋田竿燈まつり」についてご紹介しました。
今年の竿燈まつり本番まで約2週間となりましたが、開催場所である秋田市は連休中の記録的な大雨により大変な被害に遭っております。
しかも天気予報によりますと、雨の日はまだまだ続く模様。
今年の竿燈まつりはどうなるのでしょうか…。