こんにちは、サシャ(@sashalog_com)です。
今回は「オオウバユリ」についてのお話です。
先日に引き続き、このブログは備忘録としての役割が大方を占めておりますので、昨秋のお話ではありますが、気合を入れて綴っていきたいと思います。
オオウバユリとは?

ユリ科ウバユリ属の多年草・オオウバユリ(大姥百合)。
やや湿り気のある林内や林縁に自生しているオオウバユリは、同科同属のウバユリの変種として扱われているのですが、葉の大きさや草丈、花数はウバユリより上回っております。
個体によっては2メートル近くにも生長し、夏に10-20個程の黄緑色または緑白色のお花を咲かせるのですが、お花を咲かせるのは一生に一度だけです。
環境にもよりますが、オオウバユリが開花するまでは少なくとも6年以上かかると言われており、長年かけて鱗茎に蓄えた栄養を開花に全て注ぎ込んだ後、秋に種子を撒き散らしてその一生を終えます。
種子の他にも鱗茎から新しい鱗茎を誕生させ、いわゆる栄養繁殖という方法でも子孫を残すことができるのですが、こちらは種子よりも成長が早いため開花も早めとなります。
種子に鱗茎にと、子孫繁栄に抜かりはありません。
種を保存するために120年計画を立てるスズタケを観察した時も思ったのですが、みなさま、生存にかける執念が凄いですね。
なお、多くの生物は一生の間に何度も繁殖できますが、オオウバユリのように一生に一度だけ繁殖を行い死んでいく生物を一回繁殖型生物と呼びます。

オオウバユリの実と種
昨年の9月中旬近所の道路脇にて、神楽鈴(かぐらすず)のような形をした植物を見かけました。


ピー……マン???
これは何かと調べてみたところ、オオウバユリの実であることが分かりました。
残念ながらお花の時期は過ぎてしまっておりましたが、面白そうな植物でしたので観察を続けたところ、10月下旬には立ち枯れが進んで赤茶色になっておりました。


それからさらに2週間後、立ち枯れが進んだ実の中には大量の種子が出来上がっており、種子は風に乗って遠くへ遠くへと運ばれて行っておりました。


この個体は倒れてしまっておりましたが、オオウバユリは基本的には立ち枯れ姿のまま冬を越し、春を迎えます。





ニンニクチップ???
このニンニクチップのように見えるものが種子です。
実の中は3つの部屋に分かれており、そこにコインケースに収納された小銭のごとく、びっしりきっちりと種子が詰まっておりました。
なお、一つの実に入っている種子は400-500個程にもなるそうです。


透けるくらいとても薄くて軽い種子は、風に乗って遠くへ運ばれる仕様としては百点満点の出来ではないでしょうか。
オオウバユリの種蒔き
ということで、オオウバユリのお花を見てみたい!願望を叶えるために、種子を撒いたら育つのか試してみることにしました。
田舎の無駄に広い土地は、こんな時に役立ちます。
はじめに、棒と紐で目印を付けてその中に種子を撒き、風で飛んでしまわぬように枯葉で覆いました。


種子が大量にありましたので、目印を付けた場所以外にも敷地内に適当にばら撒いてみました。


ばら撒いただけで、果たして芽吹くのか?
オオウバユリの1年目の葉っぱは下記画像のように地味めでございますので、雑草と間違って引っこ抜いてしまわぬよう細心の注意を払って注視しているのですが、全然見分けが付きません!
なお、1年目の葉っぱは1枚のみで、年々その数を増やすそうです。


ところで、昨年の晩秋はフキノトウが春と勘違いして顔を出すくらい暖かい日が続いておりました。
フキノトウの出番はまだ先でしたので、もう一眠りすることをオススメしておきました。


まとめ
今回は「オオウバユリ」についてご紹介しました。
種子を蒔いた辺りで芽吹いた葉っぱが全部オオウバユリに見えたり、はたまた全部雑草に見えたりと、どっちなんだい!な日々が続いております。
見分けられる日は果たして来るのでしょうか。