こんにちは、サシャ(@sashalog_com)です。
今回は「ヒヨドリの子育て」についてのお話です。
6月17日:孵化9日目の様子
ヒヨドリとは
ヒヨドリ科ヒヨドリ属の留鳥(漂鳥)・ヒヨドリ。
ヒヨドリは、里山や公園など樹木の多い環境に生息している留鳥です。
花の蜜や果実が大好物で農作物や果樹などを食い荒らすこともあり、農家さんから疎まれております。
あらら。
以前のブログでヒヨドリは危険を察知すると「ピィーイ、ピィーイ」と、けたたましい鳴き声をあげるとご紹介しましたが、普段の鳴き声は「ヒーヨ、ヒーヨ」です。
駄洒落ではございません。
本当に「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴くのです。
その他にも「ピーヨ、ピーヨ」とか「ヒィ、ヒィ」といった、甲高い鳴き声を発します。
そんな様々な鳴き声を使い分けるヒヨドリが、我が家の庭のユズリハ(ユズリハ科ユズリハ属の常緑樹)に営巣し先日まで子育てを行なっておりましたので、その様子をご紹介したいと思います。
ヒヨドリの子育て
6月6日:巣の発見
庭の植物の剪定作業を行なっていた家族が、ユズリハの木の中に外径20cm程の巣が作られているのを発見しました。
地上から2m程の高さに作られた巣は、小枝や枯れつる、ビニール紐などから作られておりますが、風が吹けばユラユラと揺れますので、ちょっと心許ない感じです。
物陰からこっそりと巣を観察していたところ、1羽の鳥がユズリハの下の方から巣へとやって来ました。
ヒヨドリです。
どうやらすでに卵を産み終えているようで、巣全体に覆いかぶさるようにして抱卵を始めました。
体の大きさに比べると小型の巣です。
孵化した雛の子育てはオスとメスで共同で行いますが、抱卵はメスが行います。
6月7日、8日:抱卵中
抱卵中のメスは、周囲を警戒しながら基本的にずーっとじーっとしております。
ちなみに、ヒヨドリは雌雄同色ですので姿からはオスとメスを見分けることが困難ですが、子育ての時のように番(つがい)で居る場合は見分けやすいかと。
上記・下記画像のように、メスは頭の毛がなだらかに整っておりますが、オスは頭の毛がボサボサに逆立っております。
6月9日:孵化
結構前から営巣していたようで、巣を発見して3日後には雛が孵りました。
この日は気温が低かったためか、孵化した後もメスが雛達を温め続けておりました。
チラッと覗いた巣の中に、産まれたばかりの毛のないツルツルお肌の雛が4羽。
親鳥が餌を探しに行っている間に雛の写真を撮ろうかと思ったのですが、オスとメスのどちらかが必ず周りに待機しており、人の気配を感じると威嚇音を発します。
要らぬ心配をかけぬよう、しばらく撮影は控えることにしました。
6月10、11、12、13日:孵化2〜5日目
雛はまだ体が小さいため、巣の中に潜ってしまうと姿を確認することは難しいです。
基本的には親鳥が餌を運んできた時以外は、巣の中でジッとしております。
鳴き声をあげてしまうと外敵に見つかってしまいますからね、賢いものです。
親鳥も雛に餌を運ぶ際は、一度巣の周りの木々に留まり、外敵がいないか注意深く様子を伺ってから巣に向かいます。
親も子も、細心の注意を払っております。
6月14日:孵化6日目
巣の中での雛達の動きが活発になってきました。
これまでと同様に親鳥をジッと待ってはおりますが、時々巣の中でモゾモゾするようになりました。
成長痛でしょうか。
雛は親鳥が近くにやって来ると、巣の中から体を目一杯伸ばして我先にと餌を求めます。
所々に毛も生え揃いはじめており、順調に成長しているようです。
辺りが暗くなるとメスが巣にやって来て雛達を守るように覆うのですが、そろそろ巣が手狭になってきたようで、少し窮屈に見えます。
6月15日:孵化7日目
親鳥が餌をせっせと運んでは、雛がせっせと食べております。
ひたすら運んで、ひたすら食べる。
内臓が胃しかないような食べっぷりで、朝から晩まで延々とこれの繰り返しです。
6月16日:孵化8日目
雛達が餌を求める行動は日に日に同調性が増しており、まるでアーティスティックスイミングのようです。
2日前に比べて全体的にふっくらとしてきており、毛量も増えております。
驚くべき成長速度です。
6月17日:孵化9日目
親鳥が雛に餌を与える様子が撮影できたのですが、なかなか面白い映像が撮れておりました(ページ上部の動画参照)。
餌を与えられた雛は餌を食べるや否やお尻をブルブルと震わせてうんちを出し、それを親鳥が加えて外に捨てる、または食べる、といった行動をとっておりました。
全ての鳥がこのような習性を持っているわけではありませんが、このようにして巣の中がうんちまみれになることを防ぎ、巣をキレイに保っているのです。
はぁ…、凄いですね。
この頃になると、巣の外のものに興味が出るようで、頼んでもいないのにカメラ目線になることが増えました。
痛み入ります。
モコモコの毛も生え揃い、巣立ちは目前です。
6月18日:孵化10日目・巣立ち
上記画像は巣立つ1時間前のもので、緊張感に溢れております。
飛ぶ気満々のようです。
前日から雛達が巣の端に立つようになっていた為、そろそろ巣立ちかと思っていましたら、孵化10日目のお昼頃、4羽揃って無事巣立って行きました。
この日は梅雨の晴れ間で天候が安定しており、絶好の巣立ち日和。
次の日は大雨でしたので、良き日に巣立てたと思います。
とは言っても、雛の多くは巣立って数日のうちはあまり飛べないため巣の近くにおり、しばらくは親鳥とともに行動します。
巣立った雛達も我が家の庭を拠点に飛ぶ練習をしているようで、時々鳴き声が聞こえてきます。
鳥の巣の撤去は法律違反 !?
誰も彼もが野鳥の巣を受け入れられるとは思いませんが、卵や雛がいる鳥の巣を許可なく撤去すると、「鳥獣保護管理法8条」違反です。
ただし、巣の中に卵や雛がいなければ撤去しても大丈夫です。
卵や雛がいる状態でも鳥の巣を撤去しなければならない場合は「捕獲等の許可」が必要ですので、居住地の自治体の環境課などに相談してみてください。
まとめ
今回は「ヒヨドリの子育て」についてご紹介しました。
ヒヨドリが営巣したユズリハは実や葉に毒があるのですが、実は一見ブルーベリーのような色をしています。
ブルーベリーはヒヨドリの好物ですので、それが決め手となったのでしょうか。
もしそうなら、我が家のブルーベリーもぼんやりとしてはいられません。
ヒヨドリの雛が無事に巣立ったのは大変喜ばしいことですが、雛が巣立ちしてから独り立ちするまで約2週間。
我が家のブルーベリーが完熟するまで約1か月。
それまでに餌取りの方法を覚えるであろう雛たちに、戦々恐々の今日この頃でございます。